【ルック】キム・ジョーンズによるフェンディのデビューコレクション。2021年春夏クチュールコレクションを発表
壁を飾るヴァネッサ・ベルと画家ダンカン・グラント(Duncan Grant)のフレスコ画はガウンの刺しゅうとして施されました。「この一家、特に先駆的な2人の姉妹の生き方、自ら切り開いた自由、世界に残したアートに憧れます」とキムは語ります。
ヴァージニアとレナード・ウルフ(Leonard Woolf)夫妻がホガース・プレス(Hogarth Press)社から刊行した、手作業で印刷したマーブル紙装の本はショー会場に展示され、そこからクラシカルなイタリア美学の世界へと導きます。ローマのボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)の大理石の色合いを再現しベルニーニ(Bernini)の彫刻作品さながらのドラマティックなデザビエのドレープをコレクションに取り入れて、2つの要素の調和を示しています(ヴァネッサ・ベルはイタリアの古典主義に魅せられるあまり、ボルゲーゼ公園で絵を描き、巨匠の作品を再現して、チャールストンの壁に掛けたものでした)。ジャカードやシルクのガウン、そしてファーのインレーや手作業でビーズを施した仕立てから見て取れるように、大理石はコレクションの視覚言語の主要な要素となっています。