H&Mと文化ファッション大学院大学の共同プロジェクト2/2--ファッションを通して人生にかかわる【INTERVIEW】
優勝作品
――最終審査では、デザイナーの椎尾絵里子さんとパタンナーのチョン・ジャウォンさんのチームによる作品が最優秀賞に選ばれました。どんな点を評価したのでしょうか?
ペテル(以下P):ファッション性と機能性の観点から見て、彼らの作品はレベルが高かったですね。伝統的な侍の衣装をベースしながら、都会的なストリートウエアに仕上げていました。パターンやシルエット、カラーからもリサーチの結果を垣間見ることが出来ました。実は最終審査の前に、H&Mパタンナーのリサがパタンナーの視点で審査していたのですが、彼女もやはり椎尾さんとジャウォンさんの作品を選んでいましたね。
沼田(以下N):彼らは最初の段階からコンセプトが明確でした。伝統的なデザインをベースにモダンな洋服を作る場合、どうしてもキッチュになりがちですが、それを高い次元で表現し、最終的にファッショナブルな作品に仕上げていました。プリントや縫製の完成度も高く、レギンスはシームレスなホールガーメントニットを採用するなど、技術的にもレベルが高かったですね。
シャツの背面にアクションプリーツを入れたり、スリーブの継ぎ目にニットを使うなど、一見装飾性が強いのですが、実は身体が動きやすい構造になっているところも高評価でした。