くらし情報『金沢で390年の歴史を紡ぐ、老舗酒蔵「福光屋」の酒造り【前編】』

2015年2月17日 20:00

金沢で390年の歴史を紡ぐ、老舗酒蔵「福光屋」の酒造り【前編】

「酒は米と水という自然の恵みに、微生物の働きによる自然の力が加わって生まれる。自然に敬意を払い、自然の力を引き出すための知恵や工夫を授かる場として酒蔵は存在します。純米蔵になることは、自然に還ることであり、必然の選択でした」と福光屋13代当主の福光松太郎さん。

そして純米造りを可能にした背景には、1960年から生産農家と土作りから共に取り組む契約栽培がある。顔の見える関係性があることで、高品質の酒造好適米がの安定確保できるようになった。

こだわりの酒米はもちろん、酒蔵にこんこんと湧く良質の仕込み水にも胸を張る。「百年水」と名づけられた仕込み水は、1世紀前に降った雨が、幾重にも重なった貝殻層を抜け、酒造りに欠かせない成分が溶け込んでいる。「昔と比べて造る酒の種類が増えて、もう少し広ければと思うこともありますが、百年水があるから創業以来の地を離れることはできないですね」と生産本部・部長の正司和利さん。


蔵人の後継者問題もあり、福光屋では1990年代から社員を蔵人として育成する「社員蔵人制度」を導入した。今では15名の社員蔵人が20から30種類ある商品の原酒を醸造している。ベテラン蔵人が伝統の技や経験による勘を伝授し酒造りを継承。

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