2023年4月22日 08:00
映画『青いカフタンの仕立て屋』モロッコ伝統衣装を仕立てる夫婦の愛と決断、監督はマリヤム・トゥザニ
死期迫るミナを体現するために大幅に減量し、熱演を見せている。
ハリム…サーレフ・バクリ
カフタン職人。伝統を守る仕事を愛しながらも、自分自身は伝統からはじかれた存在であると苦悩する。才能のあるユーセフに熱心に指導し、温かなまなざしを送る。ミナを失う不安を振り払うようにカフタン作りに没頭する一方、ハリムは自らの葛藤の理由をひた隠しにしていた。
ハリムは、『迷子の警察楽隊』のサーレフ・バクリが演じる。内なる情熱と本心を隠す悲しみを、吸い込まれるような瞳で訴えかける。
ユーセフ…アイユーブ・ミシウィ
複雑な夫婦の愛にさざ波を起こす弟子。
より紐作りも刺繍も慣れた手つきでこなし、古い手刺繍を愛でる審美眼も兼ね備えている若い職人。そばで見守っていたユーセフは、ハリムの葛藤が何によるものなのかに気付いている。
映画『青いカフタンの仕立て屋』あらすじ
モロッコ、海沿いの街、サレ。旧市街の路地裏で、ミナとハリムの夫婦は母から娘へと世代を超えて受け継がれる、カフタンドレスの仕立て屋を営んでいる。伝統を守る仕事を愛しながら、苦悩を見せるハリム。そんな夫を誰よりも理解し支えてきたミナは、病に侵され余命わずかである。