展覧会「遥かなるルネサンス」兵庫・青森・東京で - 天正遣欧少年使節とたどるイタリア各地の美術
象嵌細工でできたテーブルだが、まるで絵画のように鮮やかな色彩で、港の景色が描かれている。
ルネサンスの中心地・フィレンツェ
ルネサンスの中心地・フィレンツェより登場する《ビア・デ・メディチの肖像》は本展の目玉作品のひとつだ。メディチ家のお抱え画家であるブロンズィーノの代表作で、日本初公開となる。病気のため幼くして亡くなってしまったコジモ1世の愛娘ビアを、彼女の死後まもなく描いたもの。儚い美しさと純粋さが伝わってくる傑作だ。
ローマでは教皇に謁見
ローマで天正遣欧少年使節は、教皇グレゴリウス13世に謁見する。本展では、使節が出会ったグレゴリウス13世を描いた絵画《ヨーロッパ内外にセミナリオを設立するグレゴリウス13世》が展示される。
ヴェネツィアで描かれた幻の絵画《伊東マンショの肖像》
ヴェネツィアでの見どころは、天正遣欧少年使節が1585年6月にヴェネツィア共和国を訪問した際に元老院によって発注された絵画《伊東マンショの肖像》だ。
本作は、同時代の文献から存在が知られていたが、長らく実物は行方不明のままであった。2014年にトリヴルツィオ財団の調査によって発見され、話題となった作品である。