2017年8月12日 11:40
「ヴラマンク展 絵画と言葉で紡ぐ人生」山梨県立美術館で開催、マティスやセザンヌの影響を受けた独自表現
独自の表現を確立するまで、マティスやセザンヌとの出会い
画家のアンリ・マティスのすすめにより、展覧会デビューを果たした2人。彼らの絵画が集められた部屋は、「野獣(フォーヴ)の檻」と名付けられ、以来、彼らは「フォーヴ」と呼ばれるようになる。これをきっかけに画商がつき、ヴラマンクは絵画に専念することを決意した。
「フォーヴィスム」様式で表現の探求を行っていた当時、没後1年のセザンヌの回顧展が開催された。ヴラマンクはセザンヌに触発され、画面空間の構成を改めて学ぶことに。とは言え、ヴラマンクはセザンヌから派生したキュビスムや抽象絵画などへ移行するわけではなく、終生キュビスムへは非難を示す。
そして訪れたひとつの転機が第⼀次世界大戦。彼は、静かな郊外に移り住んで制作に専念。
それから亡くなるまで33年間、風景や身近なもの、花などを描き続け、身の回りの自然に向き合った。特に、黒を基調とした風景画を得意とし、コントラストの強い色彩と震えるような筆遣いは彼ならではの手法。ぶれのない姿勢を貫いたことが、独自の表現を生み、彼の制作活動を大きく発展させた。
【詳細】
山梨県立美術館特別展「ヴラマンク展絵画と言葉で紡ぐ人生」