バレンシアガ 21年サマープレコレクション - 夜の通りを歩く、既成概念を翻して
トラックスーツは生地の分量を取って、ゆったりとしたオーバーシルエットに。トラックパンツだけでなく、プリーツスカートを合わせたスタイリングを提示した。また、スウェットシャツは分解してベールのように頭にかぶったり、パンツのウエストバンドに取り付けたり。継ぎ合わせて仕立てたシックな花柄のジャカードドレスは、複数の方法で着用でき、着用するたびに新しいシルエットを生み出すことができる。
一見デニムのように見えるトロンプルイユのファイブポケットパンツやジャケットはプリントを施したフルレザーで仕立てられ、シルクやジャージー素材のパンツにもデニムプリントをオン。デザインに組み込まれた意外性が既成概念を新たな価値観へとアップデートしていく。
クラフト&クチュールが実現する“アップサイクル”
クラフトとクチュールの技術を融合させることで実現された、“アップサイクル”も重要なキーワードだ。デッドストックのブーツや財布、モーターサイクルパンツのレザーパーツをパッチワークしたブルゾンは、細やかな仕立てで存在感のある仕上がりに。
クリストバル・バレンシアガのフィッシャーマンネットドレスを彷彿させる、バスケットボールネットのチェーンで仕立てたガウンや、シューレースを集めてファーのように配したコートもまた、日常にありふれた素材をリュクスに昇華することで生み出されている。