くらし情報『「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展が東京で - 歴代の作品が一堂に、日本との関係にも着目』

2022年10月15日 11:25

「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展が東京で - 歴代の作品が一堂に、日本との関係にも着目

1947年2月12日のパリ。クリスチャン・ディオールの初のコレクションがパリで発表され、これは「ニュールック」と呼ばれることになる。第二次世界大戦終結して間もない当時、敗戦国のみならず戦勝国さえも経済の低迷と物資の不足に苛まれるなか、ショルダーはなだらかにカーブを描き、ウエストはコルセットで絞る、そして裾にかけては豊かに膨らませたテーラードジャケットと、ふんだんにプリーツをとったスカートから構成される「バー」スーツは、さならが優雅に開く1輪の花とでも形容できるだろう。

じじつ、ディオールのこのコレクションのテーマのひとつは、花冠を意味する「コロールライン」であった。第一次世界大戦後の欧米に浸透した、直線的・機能的なモダニズムの服飾デザイン──ストレートなラインのジャケットと軽快なショートスカートからなるシャネル(CHANEL)のスーツはその代表例である──とは異なり、ディオールの手がけたコレクションは、シルエットのうえでは第一次大戦以前の曲線的なドレスの優雅さを「夢見る」ものであった。

第二次大戦後の荒廃のなか、人びとは古き良きエレガンスを渇望しており、「ニュールック」とはまさにその夢を具現化するものであったようだ。

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