くらし情報『【『最愛』感想 最終話】記憶と幸福をめぐる物語・ネタバレあり』

2021年12月20日 12:16

【『最愛』感想 最終話】記憶と幸福をめぐる物語・ネタバレあり

のハードルが他のカテゴリより上がる。

しかも皮肉なことに、サスペンスとして完成度が高い、丁寧な作品ほどに途中参入しづらく感じられる。つまり最初に掴んだ客をいかにこぼさず走るかがシビアに出る。

その意味で『最愛』は、最初に掴んだ客を最後までしっかり抱きしめて走り抜けた作品だと思う。

最終回まで見届けた今、事件の情報の提示、そのタイミング、そして最後の全容の開示まで無理なところが一つもなく、しかもそれらはラストの30分でまるで手品のように鮮やかに次々と明かされていた。

【『最愛』感想 最終話】記憶と幸福をめぐる物語・ネタバレあり

まさに手品のようだと脚本の手腕として唸ったのは、一度は渡辺昭殺しの被疑者となった朝宮優(高橋文哉)の被疑を晴らすために加瀬(井浦新)を奔走させたことで、犯人としてのフレームから外してみせた。

その上でもう一度、失くした赤いペンの一件で更に念入りにフレームから外して、私たちの目の前から『犯人としての加瀬賢一郎』の認識を消してみせた鮮やかさである。
【『最愛』感想 最終話】記憶と幸福をめぐる物語・ネタバレあり

15年前の渡辺康介(朝井大智)の死体遺棄についても、種明かしの後になってみれば加瀬と朝宮達雄(光石研)が知己であっても何らおかしくないと思えるのに、葬式にやってきた時の朴訥(ぼくとつ)

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.