2022年2月11日 18:46
なぜか電話で注文してくる客 初めて対面した時、理由が分かった
※写真はイメージ
客は視覚が不自由なため、ネットで商品のデザインを見ることもできず、一人では店頭を訪れるのも難しかったのです。
それでも、自分たちに会いに来てくれた客に、笏本さんはこう問いかけました。
なんでいつも、ウチを選んでくださるんですか?
続く客の返答に、笏本さんは初めて仕事の現場で涙を堪えたといいます。
目が見えていた時からネクタイが好きなんです。かっこいいから。
今はもう『デザイン』も『色』も誰かに説明をしてもらわないと分からないけど、生地や縫製のよさは、人一倍分かるんです。だから選んでいます。
今日はどうしても、作り手さんに会いたくて来ました。
長年ジレンマを抱えていた作り手としての思い
笏本さんは、客との出会いをブログにもつづっており、長年抱えていた作り手としてのジレンマを明かしています。
長年培ってきた縫製の技術には自信はあれど”私たちのこだわり”や”モノの本質的な良さ”は伝わるのか?伝わっているのか?というジレンマは常に抱えていました。実際、「デザインが素敵だね」といわれることはあっても「縫製が素敵だね」って言われることはほぼありません。
SHAKUNONEーより引用
しかし、客との出会いで「今までモヤモヤしていた心を洗ってくれたような、救われたような気持になった」