2022年9月18日 11:03
寛容さが失われ、白か黒かで分断していく 日本は、今、岐路に立たされている
さて、現代の日本はどうでしょうか。白か黒かで分断していく。敵か味方か。自分の正しさを主張するばかりで、相手を真っ向から否定する。
世の中をよく眺めてみると、緩衝地帯がなくなりました。寛容さが失われつつあるのです。
どちらの考えに賛同するのか、そこで線引きをしたがる。これが、『分断』です。
「ほどほど」が許されなくなり、「なんとなく」に対してエビデンスを求める。
口汚い言葉が公の場で飛び交う。そして論破する達成感が、さらに相手を倒すことに拍車をかける。
日本はこれからどうなっていくのか。言葉は文化であり、精神性の表れです。日本は、今、岐路に立たされていると感じています。
「ほどほど」というゆとりを持った気持ちは、人と人を結び、自分を許し、諌めることにつながっているのではないでしょうか。
白と黒の間にあるグラデーションに、大切な「何か」があるように思います。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。