神様と約束した時間がどのくらいあるのか 私たちは常に『余命』を生きているのかもしれない
言葉を綴るということは、ただただ自分を見つめ続けることだと思っています。アーティストのための作詞をするために物語を作りますが、すべて『自分』を通して生まれるものです。
それは自分の経験を通して……ということではなく、自分がどのように世界を見つめているか、ということの表れでもあります。
ですから、言葉を生業とするものは、書くことを手放せない。自分がこの状況の中で何を感じ、どんな感情を抱くのか、それを見ずにはいられない。それを記録せずにはいられないのです。
なぜなら、書くことが自分に向けての存在証明だからなのです。
神様と約束した時間がどのくらいあるのかわかりません。私たちは常に『余命』を生きているのかもしれません。
時間を、そして自分を大切に大切に抱きしめながら、生きていきましょう。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。