電子レンジ使用時に注意して 意外と気にしないポイントに「盲点でした」
『電子レンジ』は一人暮らしから大家族まで、生活に欠かせない家電製品です。
温めたい物を庫内に入れ、ボタンを押すだけとシンプルな操作方法のため、よほどのことがない限り使い方を気にする人はいないのではないでしょうか。
しかし電子レンジは意外に注意点が多く、それらを知らずに使ってしまっていることもあります。
毎日のように使う家電製品だからこそ、使い方を振り返っておきましょう。
『一般社団法人日本電機工業会』のウェブサイトで解説されている、電子レンジの正しい使い方を紹介します。
『突沸現象』に注意する
※写真はイメージ
電子レンジを使う上で気を付けたいのが『突沸現象』です。
『一般社団法人日本電機工業会』では、突沸を次のように解説しています。
液体が沸点を超えても、沸騰を起こさない状態(プクプクと泡が出てこない)になる場合があり、これを過熱状態といいます。
過熱状態にある液体になにかしらのショック(振動やインスタントコーヒーの粉末や砂糖の投入など)が加わると、突然に沸騰が激しく起こり、この現象を「突沸」といいます。
一般社団法人日本電機工業会ーより引用
水や牛乳、スープなどの飲み物のほかカレーやシチューなど油脂分の多い食べ物は、温めすぎると飛び散ることがあるので注意しましょう。
『突沸現象』は電子レンジのみで起こる現象ではありません。お鍋で味噌汁の温め直しをしたら、急に蓋が吹き飛んだという事例もあります。
突沸を防ぐには、温めすぎない、温める前にスプーンでかき混ぜる、『飲み物専用あたため』を使うなどの方法があります。
温めすぎてしまった場合は、1〜2分ほど置いてから取り出しましょう。
殻付きの食品は電子レンジで温めてはいけない
卵をはじめ、栗やギンナンといった『殻付きの食材』も電子レンジでの加熱に不向きです。
卵は電子レンジで加熱しないでください。
殻付き卵(ゆで卵・生卵)は殻の一部に強い圧力がかかって破裂します。
殻をむいたゆで卵や目玉焼きの再加熱でも破裂します。
生卵の黄身(殻を割った状態)のままでも破裂する場合があります。(よくときほぐせば加熱できる調理もございます。詳しくは取扱説明書に従ってください。)
卵調理用器具を使用してのゆで卵や目玉焼きもしないでください。
一般社団法人日本電機工業会ーより引用
電子レンジで殻付きの食品を温めると爆発する恐れがあります。破裂の仕方によっては、電子レンジが壊れてしまうこともあるため避けましょう。
調理以外の目的に使用しない
電子レンジは『調理家電』のため、調理目的以外の使用もおすすめできません。
電子レンジ非対応の湯たんぽやおしぼりの温め、哺乳瓶の消毒などには使用しないようにしましょう。
このほか、電子レンジの上に物を置かないことも重要です。上に置いた物が変形するだけでなく、場合によっては発火する恐れがあります。
電子レンジに対応した容器を使う
電子レンジには『使える容器』と『使えない容器』があります。
『使えない容器』は熱により割れたり変形したりする可能性があるため、素材や特性、容器の取扱説明書を確認した上で使用しましょう。
電子レンジでの使用可否は以下の通りです。
容器の種類や素材使用可否注意点耐熱性ガラス容器○ひびや傷のある器の使用や、急熱・急冷すると割れる場合がある。
耐熱性のないガラス容器×クリスタルガラス、カットガラス、強化ガラスなども使えない。耐熱性プラスチック容器○耐熱温度が140℃以上の物に限る。電波で変形する物、砂糖・油分の多い料理など、高温になる食品には使えない。そのほかプラスチック容器×耐熱温度が140℃未満の物や、スチロール、ポリエチレン、メラミン素材の物なども使用できない。ラップ○耐熱温度が140℃以上の物であれば可。砂糖・油分の多い料理など、高温になる食品には使えない。金属容器・金串・金網・アルミホイルなど×電波を反射する性質を利用してアルミホイルを使う場合は取扱説明書を確認。陶器・磁器○ひびや傷、金銀の模様、内側に色絵のある器は使えない。
漆器、竹・木・籐・紙製品×紙・ようじ・竹串については、取扱説明書に従えば使用可。
電子レンジの正しい使用方法を紹介しました。生活に欠かせない調理家電だからこそ、使い方を見直して安全に活用していきましょう。[文・構成/grape編集部]