「『勝手口』がわからない…」 若い人達に覚えて置いて欲しい言葉
家の主(あるじ)は、先廻りをして勝手口に廻り、その若者を待ち受けました。
22〜23歳位の青年でした。荷物を受け取り、
「ハイ、ご苦労さん、勝手口って判らなかった?」
「え~、知りませんでした」
「留学生ですか?」
「いえ、日本人です」
「何年ぐらい勤めてるの?」
「半年ぐらいかな?」
「一戸建ての家では、勝手口といって別の小さめの出入口があるので、覚えて置くといいね…」
「ハ、ハイ、… どうもです…」
てなことで、玄関と勝手口が対(つい)となっている家もまだまだあり、『勝手口』の表現も若い人達に覚えて置いて欲しいと思い、世間話として、敢えて書かせて頂きました。
<2020年8月>
フリーアナウンサー押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2020年現在、アナウンサー生活62年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。
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