小野リサ ボサノヴァの女王が明かした3人の子供との子育て秘話
“サウダージ”というポルトガル語をご存じだろうか。「憧憬」とも訳される、ふるさとを懐かしむような気持ちのことだ。日本とブラジルという2つのふるさとを持つ、ボサノヴァの女王・小野リサさん(56)。
デビュー当時は、ブラジルへの思いを歌に込めてきたが、母となってからは、日本の歌を歌うことが多くなった。子どもたちと過ごす「ふるさと」への思い。その場所を守るために、リサさんは日々の暮らしを整え、子どもたちへのいとおしさから、歌が生まれてくる――。
6月16日正午過ぎの前橋市民文化会館。大ホールのステージでは照明が落とされたなか、リハーサルが行われていた。
「私のソロは、どこから入るんだっけ?」。リサさんの問いかけに、外国人も交じったバンドメンバー6人が口々に答えると、「アイム・オッケー。この曲は、アップテンポだけれど、ていねいにいきたいのでよろしく」。
リサさんは日本語と英語、ときに流暢なポルトガル語などを巧みに使い分けながら会話していく。さすがブラジル生まれで、帰国後は10代からステージに立ち「ボサノヴァの女王」と呼ばれ、現在はアジアでも大人気という国際色豊かな音楽歴を感じさせる。