2019年1月7日 16:00
ジェネリック医薬品が消えてしまう!?TPPが食と医療を破壊する
■薬の価格が高騰する
脅かされるのは、食の安全ばかりではない。
「ジェネリック医薬品が作りにくくなり、将来的に薬価が高騰する可能性があります」
そう話すのは、自由貿易に詳しいアジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子さん。
「製薬会社は特許期間が切れたらデータを開示し、後発メーカーがジェネリック医薬品を製造できるようにしなければなりません。しかし、TPPによって、バイオ医薬品のデータ保護期間が、5年から8年に延長されました。アメリカがTPPから脱退し、ベトナムなどが延長に反発したことから、この項目はいったん凍結されました」
しかしもともと日本は12年に延長することを求めていた。
「先進国は製薬会社のビジネスに有利にしたいのでしょう。いずれにしても高い薬を買わざるをえなくなり、患者の医療費負担が増えることになります」
TPPの仕組みに、投資家保護のために企業や投資家が、国や自治体を訴えることができる、紛争解決制度(ISD条項)がある。
「以前、ISD条項を使ってフランスの水道会社がアルゼンチンのサン・ミゲル・デ・トゥクマン市を訴え、数億ドルの賠償金を支払わせました。
市がフランスの水道会社に運営を委託すると水質が悪化。