安倍政権が選挙後まで隠す「老後2000万円」よりヤバい年金文書
一方、財政検証は、年金を所管する厚生労働省が作成する調査報告書と計画書を兼ねたようなもの。まさに、年金制度の今後を占う要といってもいい。
ところが、その公表が遅れているという。過去2回の財政検証は、内容を議論する専門委員会の最終会合から3カ月ほどで公表された。今年は3月7日に最終会合が行われたので、6月中旬までには公表されると見込まれていた。だが、いまだ公表の予定はない。
財政検証を担当する厚労省年金局数理課は、「検証中で、まだ発表時期ではないとしか申し上げられない」と繰り返すのみで、作業の進捗状況すら答えなかった。
政治ジャーナリストの角谷浩一さんは、こう分析する。
「永田町では『老後2,000万円問題で紛糾するなか、よほど悪い検証結果なので、夏の参院選が終わるまで出さないのではないか』といわれています。厚労省が安倍内閣に“忖度”している、あるいは官邸から公表しないように指示された、そんなふうに見られているのです」
今年3月に公表された「2019年財政検証の基本的枠組み」では、厚生年金の適用拡大や、受給開始年齢の選択化も「財政検証」に盛り込むことが予告されている。「政府は、将来的に受給開始年齢を引き上げていく方針です。