家族全員、税金について知ろう…「二世帯同居」お金の落とし穴
どちらかの世帯が『割を食っている』と感じないためにも、負担額の定期的な見直しは欠かせません。『同居記念日』を設けて、毎年その日を見直しのタイミングにするのがおススメです」
ただし、生活費の分担額を見直す際には、その根拠が「なんとなく」ではお互いにいっそう不満が募るもの。そうならないためにも、同居をはじめる前からしっかりと家計簿をつけ、同居の「前」と「後」でそれぞれの支出がどのように変化したのかを把握しておきたい。
さらに北見先生が「要注意」と強調するのが住宅ローンだ。たとえば北見先生への相談ではこんなケースもあったという。
長男がローンを組み、両親の土地に二世帯住宅を建てたものの、嫁姑の折り合いが悪く、長男夫婦はそれがもとで離婚。長男もその後家を離れてしまい、ローンの返済が不能に。結局、せっかくの二世帯住宅は競売にかけられてしまう結果に……。
「お姑さんはお孫さんたちとの幸せな同居生活を夢見ていたのに、とてもお気の毒なケースです」
たしかに二世帯同居には、経済的なもの以外にもたくさんのメリットがあるが、そこで暮らすのは、あくまでも不器用な「人」である。当然、同居での生活がうまくいかないこともある以上、どこかに「引き返す」