くらし情報『18年前脱北した日本人妻 斎藤博子さん「子供守る、飢えとの闘い」』

2019年9月6日 11:00

18年前脱北した日本人妻 斎藤博子さん「子供守る、飢えとの闘い」

三女の花恵さんも、’90年代末ごろ、嫁ぎ先で餓死した。四女のコトミさんの話によると、窓際に座ったまま息絶えていたという。夫の正二さんは、’94年4月、結核の治療ができず命を落とした。

「病院なんて名ばかりで、薬すらない。だから北朝鮮の家庭では、庭にケシの花を植えて、病人にはモルヒネ代わりに飲ませます。夫にも、それしかできなかった」

夫が亡くなる数年前には、6人の子どものうち4人は結婚し、独立していた。しかし、子どもたちの生活も変わらず厳しかった。

「北朝鮮でいい仕事に就くには、当局に賄賂を渡さないといけないんです。
でも、うちは、賄賂を渡すお金もなかったから、子どもたちをいい仕事に就かせてやれなかった。だから、闇商売していた子もいます」

’90年代の終わりごろ、次女・光恵さんが警察に捕まり収容所に送られてしまう。

「警察は、刑務所の場所も教えてくれないから、一度も面会に行けなかった。光恵は、ずっと私が来るのを待っていたみたいで、本当にかわいそうなことをしました」
幸い、光恵さんは1年半で出所できたが、今度は、長女・弥生さんが捕まってしまう。

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