くらし情報『18年前脱北した日本人妻 斎藤博子さん「子供守る、飢えとの闘い」』

2019年9月6日 11:00

18年前脱北した日本人妻 斎藤博子さん「子供守る、飢えとの闘い」

’61年の暮れに生まれた長男・昌日さんだ。その後、斎藤さんは、’65年に次女・光恵、’67年に三女・花恵、’69年に次男・昌道、’72年に四女・コトミと、6人の子宝に恵まれる。家族が増えることは喜びだったが、食いぶちが増えることで、生活は一層苦しくなった。

北朝鮮では地域によって貧富の差が大きく、斎藤さんが住む北部はとくに貧しかった。メガネ工場の責任者になっていた夫は、体を壊して休みがちに。代わりに斎藤さんは必死で働いた。しかし、子どもたちはいつもおなかをすかせていたという。

わずかに支給されていた配給も、経済制裁の影響で’90年代に入ってもらえなくなった。
町は多くの餓死者であふれていたという。

「いちばんの被害者は、幼い子や老人です。落ちているモノを拾いながら市場で餓死する子や、駅で、出稼ぎに行った親を待ちながら死んでいる子。駅で冷たくなっている老人。町にあふれた餓死者の遺体を、当局が週に1回トラックで海辺に運んで、穴を掘って埋めるんです。だから、自分の身内が、いつどこで死んだかわからない。それが北朝鮮という国なんです」

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