くらし情報『受給開始70歳…コロナショックで早まる年金財政最悪シナリオ』

受給開始70歳…コロナショックで早まる年金財政最悪シナリオ

受給開始70歳…コロナショックで早まる年金財政最悪シナリオ


「新型コロナウイルス感染症が原因で世界同時株安が起きていますが、これで大きな影響を受けるのは日本の公的年金です。年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)は、国家予算の約1.6倍にもあたる160兆円超の年金積立金を運用していますが、コロナショックで25兆円もの損失が発生したとみられます。年金財政の危機が訪れているんです」

こう警鐘を鳴らすのは、野村投信の元ファンドマネージャーで『202X 金融資産消滅』の著書もある近藤駿介さんだ。GPIFが運用している積立金は、現役世代が支払う年金保険料、国庫(税金)と並ぶ、年金資金の3本柱の一つ。“年金博士”で知られる社会保険労務士の北村庄吾さんが詳しく解説してくれた。

「年金受給者へ支払う年金のほとんどは現役世代の保険料と税金でまかなわれてきました。現役世代が多く税収も右肩上がりだったバブル時代などは、支払いに必要な額を超えて資金が集まることもあり、そのときにためたお金が、いまの積立金のもとになっています」

年金財源の一つである積立金はリスクの低い国内債券を中心に運用するのがセオリーだ。しかし、安倍政権は’14年10月、国内債券の割合を60%から35%に減らし、リスクの高い国内・外国株式の割合を24%から50%へと倍増させた。

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