2020年5月25日 11:00
ガン発見で引退のたかね吹々己 宝塚トップからホテルの女将に
「いま、マスク作りに凝っているんですよ」 そう言いながら、器用に生地を裁断し、ミシンをかける。瞬く間にフェルトのマスクが完成だ。 「4段のひだ付きで、鼻の部分の癖付けには、植木用のビニールタイを使っています。ファンデーションがついても目立たないように、色はベージュ。10種類くらいできています。次は唇の形を書いて、穴を開け、ストローを入れられるようにしようかな」
より便利な“手作りマスク”のアイデアが次々と湧いてくる。話しながら、元宝塚歌劇団雪組のトップスター・たかね吹々己(ふぶき)さん(54・前名・高嶺ふぶき)は、充実した顔でほほ笑んだ。
そんな彼女は、4月12日、「劇団とっても便利」のミュージカル『美しい人』を最後に、舞台から引退。
新天地は、山口県の周防大島。なんと、ホテルの女将(おかみ)さんに転身するという。
「マスクは今後も旅行者に必要ですから、この秋、開業予定のホテルのお土産物にしようかな」
転身のきっかけの一つは、がんに罹ったこと。たかねさんが、がんの告知を受けたのは3月3日のことだった。
「先生からは『細胞診の結果、甲状腺乳頭がんでした』と、明るく言われましたよ。