元ヤン女子が林業家に 苦境に立たされても100年続いた森を守る
「うちの山を守りたい!」
日本の林業は厳しい時代の流れにのまれかけている。価格の下落に、外国産の杉の流入。このままでは、祖父が、父が愛した杉の森が崩壊してしまうかもしれないーー。野中優佳さん(28)が一念発起し、実家の林業を継いだのは21歳のとき。100年続く「山主」(山の所有者)の家系に生まれた彼女は、イチから林業を学び、愛情を注いだ杉材を世に送り出してきた。夢は、林業の未来を明るく照らすこと。野中さんの一歩は、きっと100年先に続いている。
そんな野中さん。
実は、思春期の頃は実家の手伝いよりも都会での夜遊びに夢中になっていたという。高校は寮に入ったが、寮生活に耐えられず、友達や先輩の家を泊まり歩いて、家にも帰らなくなった。結局、高校は半年で退学。その後、通信制の高校に入学したが、同時に山鹿市内で一人暮らしを始めている。
「一人暮らしになったら、もっと遊びたくなりますよね(笑)。友達を呼んで、騒いでいたら、1カ月で追い出されました。結局、山鹿市内も入れて4回、アパートを追い出されています」
バイトはファストフードやガソリンスタンド、工場での金型作り、水商売も経験したが、どれも続かない。