コロナ不況下での「パート解雇」は10月から本格的に急増する
とくに福岡県では、飲食業や小売業、製造業を中心に、前年より53.8%増の1万1,416人が解雇や雇い止めになっており、その多くが契約や派遣など非正規労働者だという。
“雇用の調整弁”ともいわれ、景気が悪くなると解雇されやすい非正規労働者。コロナ禍のなかでの実態を取材した。
「雇い止めを言い渡されたときは、頭が真っ白になりました。シングルマザーとして娘を育て上げ、88歳の父との2人暮らしでしたが、2歳の幼子を抱えた娘が実家に戻り、4人で暮らすことになった矢先で。どうやって家族を食べさせていこうかと……」
こう語るのは、都内の大手デパートに入る和菓子店で働いていて、今年6月末で雇い止めにあった、加藤悦子さん(仮名・47)。
’17年8月から勤めていた彼女は派遣社員で、3カ月ごとの不安定な雇用契約だった。
「1日8時間、週5日のフルタイムでシフトに入り、手取り約20万円で働いていました。
ところが今年4月に緊急事態宣言が出されたことで、デパートとともに和菓子店も臨時休業。一緒に働いていた正社員には休業手当が出ましたが、私は派遣会社から、手当は出せないといわれて。5月に入って和菓子店は営業を再開しましたが、出勤したのは1カ月で7日間だけ。