自分の死後、ペットの面倒を見てもらうには「遺言」の作成を
【ケース】自分の死後に残されたペットの面倒をみてほしい
光文和子(58歳)は、夫に先立たれてからペットを飼い始めた。1人暮らしのさみしさを癒してくれる犬のマロンと猫のみいが、今では家族同然の存在だ。
ペットの寿命を考えると、和子の年なら最期まで問題なく世話ができると思って飼い始めたが、夫の急逝がトラウマになり、もしものとき、ペットが路頭に迷うことだけは避けたいと思うようになった。
幸い長女のL美が動物好きなので、L美にペットの行く末を頼みたい。その分、多めに財産を譲るので、ペットの世話を約束させることはできないものか。
ペットは法定相続人ではないので、財産を相続させることはできない。民法でも、人以外の生き物に遺贈を認めていない。となると、和子のように、だれか世話してくれる人を探して、お願いするしかない。
「こうしたケースでは、『負担つき相続をさせる遺言』が活用できます。遺言でお金を残す代わりに、何かをしてもらうことを条件とする制度です」
和子には2人の子どもがいるが、ペットの世話を頼む長女には、長男より多めの財産を残し、「ペットの面倒を一生みること」という但し書きをつけるのだ。