反対にバイデン氏の選挙運動といえば、マスクをしてソーシャルディスタンスを保つ姿が多く報じられていた。海野さんが続ける。
「バイデン氏は、人々の目に“強いリーダー”ではなく“共感できるリーダー”に映った。それが支持を集めたのだと考えます」
自らの政策を強く打ち出すより、トランプ大統領の政策に反対することで選挙を戦い抜いたバイデン氏。彼の政権は、日本にどのような影響を与えるだろうか。大野さん、海野さん、そして国際政治ジャーナリストの小西克哉さんに聞いた。
【対中・対北朝鮮】“アジアに無関心”の姿勢がスキを与える可能性も
「バイデン氏は中国に対して、地球温暖化対策では協調するものの、知的財産権の侵害やスパイ活動においては、トランプ大統領と変わらず厳しく取り締まるスタンス。大きな変化はないと見ています」(小西さん)
ただし北朝鮮問題に関しては。
「バイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権時は、米国側が対話ばかりを求め何もしなかった。それゆえに、北朝鮮のミサイル問題までに発展した経緯があります」(大野さん)
小西さんも「バイデン氏はアジアよりも、中東に目を向けているのでは」と見ている。