両陛下が進めるオンライン活用 イギリスと“Zoom外交”の可能性も
(宮内庁関係者)
“政治的発言”になりかねないとの懸念から見送られてきたビデオメッセージ。一方で、イギリスのエリザベス女王が昨年4月に配信したビデオメッセージは大きな話題を呼んでいた。
エリザベス女王のメッセージはイギリス国民にどのように受け止められたのか。女王の欧州の王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう語る。
「エリザベス女王のメッセージは、ロックダウン下で家族にも会えず不安な国民に寄り添う内容でした。女王の《We will meet again(また、会いましょう)》という言葉は、しばらく合言葉のように国民同士がお互いに励まし合う時に使ったほど、国民に受け入れられました。感染防止のためにビデオの撮影は、女王と、事前に2週間隔離したカメラマンの2人だけで行われたそうです。メイクも女王自身が行ったほどの厳戒態勢で、93歳(当時)の女王がリスクを取ってメッセージを発した、その覚悟が、国民を励まし勇気づけたのです」
さらにイギリス王室はSNSやさまざまなツールの活用にも積極的だという。
「クリスマス・スピーチは毎年12月25日の午後3時にBBCで放送されますが、今年はAmazon EchoやGoogle Homeといったスマートスピーカーにも配信されました。