くらし情報『青木さやか 林真理子『ルンルン〜』を手にした80年代の思い出』

青木さやか 林真理子『ルンルン〜』を手にした80年代の思い出

「じっさいに購入したのは、’87年ごろ。当時は高校生だから、男の人との初めてのエッチのときに、電気を消すのか消さないのか、消す場合は誰が消すのかなど、自分より大人の話もあって、読んじゃいけないものを読んでしまっている背徳感もあったり。モテるコに対する嫉妬心みたいな、誰もが持っている性格の悪さを明るく表現していて、すごく共感できました。でも、当時は本の内容よりも、オシャレだから、という理由で、手に入れただけなんです」

たしかに目を引くのは、表紙の昭和チックな女性のイラスト画、本の天地や小口が赤く染められ、持っているだけでイケてると思われる、ハイセンスな装丁。青木さんは部屋のインテリアとして、表紙が見える形で本棚に飾っていたとか。

「吉本ばななさんの『キッチン』(’88年・福武書店)も、本棚にありましたね。中身はあまり理解できなかったんですが、わからないことが、むしろかっこいい感じがして。後に読むと、ああこんなに心に響く本だったのか、と」

もともと、流行に敏感なわけではなかった。
学校の教師をしている母親のしつけが厳しいこともあって、小学校時代は“全員集合”も“ひょうきん族”も見せてもらえなかったそう。

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