くらし情報『藤井二冠も師匠には素の18歳に 筆者語る「棋士師弟は唯一無二」』

藤井二冠も師匠には素の18歳に 筆者語る「棋士師弟は唯一無二」

途中からは砕けた感じのやりとりも見られ、藤井二冠が会見で見せる応答とは違った18歳らしい一面が見られました」

将棋界は歌舞伎や落語のように、師匠と弟子で技術が受け継がれていく面がある。その師弟関係はさまざまで、そこには十人十色のドラマがあった。

「本書の取材で、特に印象に残った師弟は、中田功八段・佐藤天彦九段、畠山鎮八段・斎藤慎太郎八段でしょうか。この二組はとても対照的な師弟で、中田八段は放任主義で佐藤九段を育て、遠巻きにその成長を見守ってきました。畠山八段は自分が持てるものを全てを斎藤八段につぎ込んで、自分を超えさせていきました。中田、畠山は『昭和の棋士』であり、タイプは違いますがともに無頼な男たちです。弟子の佐藤、斎藤は小学生時代から将棋への特別な才能、集中力を見せ、将来を嘱望されてきました。この二人にとって、それぞれの師匠が運命的に相性が良かったことは間違いないでしょう。
棋士は洞察力に優れ、その子の長所、短所を見抜く。そして普段は言葉を交わすことは少なくても、いざ師の力が必要になれば親身になって対応していきます。

将棋界の取材をしていくと『才能があったけども、周りの影響でダメになっていった子がたくさんいた』という言葉を何度も聞きました。

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