くらし情報『『スチュワーデス物語』はなぜ80年代の日本を魅了できたのか』

2021年5月10日 06:00

『スチュワーデス物語』はなぜ80年代の日本を魅了できたのか

あまりの落ちこぼれぶりに最初は「何をやっているんだ」と呆れていた村沢教官(風間杜夫)が、次第に千秋に惹かれるようになっていったり、それを見て、かつて村沢教官が起こした事故のせいでピアノが弾けなくなった婚約者の真理子(片平なぎさ)が嫉妬や逆恨みをするなど、ドロドロとした愛憎劇も見どころだった。

「まるで少女漫画のようなベタな展開ですが、恋愛にまつわる愛憎劇や、努力の末のサクセスストーリーなど、さまざまな要素が盛り込まれていました。さらに大映ドラマの常連俳優だった石立鉄男さんや長門裕之さんが演じる独特なキャラも、作品に厚みを出しました」

ただし、現代のドラマのような複雑な伏線は、ほとんどない。

「仕事に遊びに忙しく、若者の関心事が家の外にあった’80年代。だからこそお茶の間で見るドラマは、家族同士で笑ったりテレビに突っ込んだりしながら、リラックスできる内容が好まれたのです」

こうした大映ドラマは、のちのテレビ番組にも影響を与えている可能性があるという。「『冬のソナタ』(’03〜’04年)、『私の名前はキム・サムスン』(’06年)など、初期ブームの韓流ドラマの展開は、大映ドラマに通じる少女漫画のテイストを感じます。

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