ワクチン予約代行詐欺「名前教えるだけ」でも注意必要なワケ
新型コロナは変異株の猛威がおさまらず、「早くワクチンを」との声が日に日に大きくなっている。だが、1回目のワクチン接種を終えた高齢者は約166万人(’21年5月20日・首相官邸)。対象者約3,600万人の4.6%にすぎない。焦りと不安がうずまくなか、コロナ関連の詐欺が手を変え品を変え横行している。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。
■まずは「家族に相談する」と言い保留に
最近増えてきたのは、「予約代行詐欺」です。ワクチン接種の予約は電話がつながりづらく、高齢者にとってネット予約はむずかしい。そんな高齢者宅に市職員などをかたって詐欺師が「予約を代行します」と持ち掛けます。
詐欺師の狙いは代行料金の搾取のほか、個人情報の収集もあります。口座情報は注意しても、住所・氏名などは比較的簡単に教えてしまう高齢者もいますが、そうして集めた個人情報は“カモリスト”としてほかの詐欺グループに売れら、2次被害にあう危険性が高まります。ご注意ください。
いっぽうで、自治体や地域の自治会などが中心となって、若い学生たちがワクチン接種の予約を無料でサポートする動きが広まっています。こうしたニュースを見た高齢者が、詐欺師からの誘いを善意のサポートと勘違いすることもあるでしょう。