バッハ会長は資産400億円「スポーツをカネに換える錬金術」
ビジネスでの活躍の場を広げるにつれて、IOCでも1991年に委員、1996年に理事、2000年には副会長と、順調に階段を上っていった。2000年にはドイツを代表する巨大企業シーメンスと顧問契約を結んでいる。アラブ諸国での新規ビジネスを進めようとしていた同社が、バッハ氏がIOCで築いた中東人脈に期待したことが理由といわれている。
ドイツ人の父と日本人の母を持つエッセイストのサンドラ・ヘフェリンさんはこう語る。
「年間40万ユーロ(約5,280万円、現在のレート、以下同)という破格の顧問契約料に加え、日当として5,000ユーロ(約66万円)もの報酬を得ていたんです。後にこれが問題になり、2010年に契約を打ち切られています」
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もっと後ろ暗い契約もあった。ベルリン在住の声楽家で、最新のドイツ事情について日本の新聞に寄稿もしているギュンターりつこさんはこう語る。
「2005年から2009年までの間、バッハ氏は顧問としてフェロスタール社と契約していました。
年間20日の勤務で12万5,000ユーロ(約1,650万円)の報酬に、1日5,000ユーロの海外出張費。