2021年7月20日 06:00
大阪・名古屋の住宅街に存在する土砂災害高リスク地域
静岡県熱海市の伊豆山地区で発生した土石流で捜索活動をする救助隊(写真:アフロ)
「近年、ゲリラ豪雨や線状降水帯がもたらす降雨量の増加は、全国各地で土砂災害のリスクを高めています。土砂災害というと、今回の土石流が発生した熱海市のような山間部で起きると思われがち。しかし、都市部でも災害の可能性があるのです」
こう警鐘を鳴らすのは、地震や水害など過去に起きたさまざまな災害のデータをもとに分析を行っている、災害危機コンサルタントの堀越謙一さん。
国土交通省によると、土砂災害防止法に基づく「土砂災害警戒区域」は全国に約66万3,000カ所。そのうち、住民等の生命または身体に“著しい”危害が生ずる恐れがあるとされる場所は「土砂災害特別警戒区域」として、約54万9,000カ所も指定されている。
そこで堀越さんに、大阪、名古屋といった都市部で土砂災害が懸念される場所を抽出してもらった。
「分析では、ハザードマップによる土砂災害特別警戒区域や『急傾斜地崩壊危険箇所』などのデータをベースに、地形、地質についても調査。さらに熱海市でも問題視されている盛土によってつくられた造成地にも焦点を当て、土砂災害の可能性について検証しました」