2021年8月19日 06:00
デルタ株もいつの間にか蔓延…医師警鐘「ラムダ株もすでに市中感染している可能性」
米国と同列には語れません」
こうした状況のなか、ラムダ株を上陸させない水際対策が大切になってくるが、ここに大きな穴があると、上さんは言う。
「中国や台湾などは、水際対策で日本よりも厳しくPCR検査を徹底しているのに、網をすり抜けるように国内でコロナの感染者が出続けています」
一方、両国よりも、日本の検査体制はずっと甘い。
「日本では1〜2月にはイギリスで発見されたアルファ株が大流行しましたが、いまはそれがデルタ株に置き換わって、第5波として、猛威をふるっています。いずれの変異株も、いつの間にか検疫をすり抜け、市中で広がりました。ラムダ株がすでに国内に入り込んで感染者を少しずつ増やしていても、不思議ではない。昨年の流行時期と照らし合わせると、おそらく9月ごろから、第5波はピークアウトしていき、一定期間、小康状態がくることが予想されます。そして今年の冬に、新たな変異株が流行することになります。その第一候補がラムダ株なのです」(上さん)
ラムダ株は冬に予想される第6波の“有望株”ということだ。
■懸念される“悪いとこどり”の変異株
次々と日本で流行する変異株。東北大学災害科学国際研究所で災害感染症を専門としている医師の児玉栄一さんは、複数の変異株がまん延すること自体に、強い危機感を抱いている。