2021年8月19日 06:00
デルタ株もいつの間にか蔓延…医師警鐘「ラムダ株もすでに市中感染している可能性」
政府の姿勢を「論外だ」と切り捨てるのは、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんだ。
「いま、大流行しているデルタ株のあとに流行するのではないかと懸念されているのが、今回、空港検疫で発見されたラムダ株です。恐ろしい変異株で、人口あたりの死者数が世界最悪となったペルーを中心に、南米で猛威をふるっています」
昨年8月にペルーで発見されたラムダ株。まだ日本ではほとんど知られていないこの変異株は、どのような危険性を秘めているのか。上さんが解説する。
「ペルーでは今年1月ごろから増加し始め、現在は新規感染者のほぼ全員がラムダ株です。チリやアルゼンチンなど、周辺国にも広がりを見せています。今年6月、ラムダ株のゲノムの全配列が公開されたのですが、10カ所以上が従来の株から変異していることがわかりました。
特徴的なのがF409Sという部分の変異で、これによってワクチンの効果が従来型に比べ5分の1ほどに落ちると見られています」
ラムダ株の研究論文を発表した東京大学医科学研究所の佐藤佳さんは、ほかの変異株と同様、ラムダ株も「人類にとって潜在的な脅威となる」と結論づけている。
「われわれの行った細胞実験では、従来型にくらべ感染力が1.5〜2倍で、デルタ株と同程度でした。