2021年11月4日 06:00
『イカゲーム』が世界で特大ヒットのワケ…日本の“デスゲームもの”と一線画す社会性
ファンタジー的な要素とリアルな要素を一方に偏らず一緒に付与することが重要だった》
また西森さんは、『イカゲーム』は最初から“デスゲームもの”が目的ではなかったのではないか、と推測する。
「ファン・ドンヒョク監督は、この企画をリーマンショックを機に思いつき、その後、仮想通貨の高騰などを見て要素を加えていったと聞きます。それをどう映像化、物語化しようと考えた結果、デスゲームになったのではないでしょうか。
まず、自分の社会へ危機感があり、それをデスゲームという題材と新しい発想をミックスして作ったため、これまでのものと比べて物語や作風が新鮮に感じられたのではないかなと思いますね」
あくまでデスゲームは“目的”ではなくエンターテイメントとして見せるための“手段”だったのではないかという『イカゲーム』。そうした本作には“警告”が込められているのではないかと、西森さんは最後にいう。
「『多額のお金を手に入れたから幸せになれるのか?』というのが、この作品に込められたメッセージではないでしょうか。大金を得たことによって暮らし向きが良くなることがあるでしょう。
しかし、ゲームに参加した他の人々の犠牲の上で手にしたお金でギフンは幸せになれるのだろうかという疑問が終わりに近づくにつれて生まれました。
現代の富に関しての疑問や経済至上主義社会への警告があるのではないかと思います」
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