2021年12月28日 15:50
爆発物探知犬を育成・派遣する会社を設立 川野悌子さん夫妻の二人三脚
だから、悌子が『やる』と言ってくれたときは嬉しかったですよ」
数か月後、アメリカで軍用犬の訓練をする学校でトレーニングを受けるため、悌子さんは渡米。最初に事業を起こしたいと言った夫は資金を貯めるため、日本に残り仕事を続けた。
アメリカでトレーニングを始めた悌子さんは必死だったと振り返る。
「自分の好きなことではなかったわけですから、本当は辛いはずだったのですが、不思議と辛いも努力していると感じたこともなかったですね。犬嫌いですか?一旦トレーニングに入ったら、そんな感情は消えていて、むしろ『よし、学ぶぞ!』って感じで夢中でした」
渡米時は英語もほとんど喋れなかった悌子さんだったが、犬のことならスポンジが水を吸収するが如くどんどん学んでいった。その様子を時々アメリカで見ていた信哉さんはこう振り返る。
「彼女の順応性に驚くばかりでした。とにかく限られた環境に順応するのがすごく上手い。
それにコミュニケーション能力も抜群で、どこにいてもすぐに誰とでも友達になるし、場に馴染む。152センチのちっさい体なのに、存在感は大きかったですね(笑)」
数年後、信哉さんも会社を辞めて、アメリカのトレーニングに参加。