2022年3月4日 11:00
北原佐和子 41歳で介護士兼業を決心させた障がい者との出会い
「16歳から芸能界にいたため、電車の乗り方もわからず、最近までPASMOで切符を買って、改札を通っていたほどでした(笑)」
そう話すのは、’81年に女性アイドル3人組のグループ「PANSY(パンジー)」を結成した北原佐和子さん(57)。歌手デビューを果たした’82年、映画『夏の秘密』にも主演。以降、数々のテレビドラマで活躍。順調に女優としてのキャリアを積み重ねてきたが……。
「女優はレギュラーの仕事が入れば忙しいのですが、撮影が終わるとぽっかり時間が空いてしまう。30代半ばくらいから、将来の不安に駆られるようになったんです」
不安と向き合い、過去を掘り返したとき、ふと思い出したのは、20代の、ある雨の日のことだった。
「車を運転していると、体にまひのある、障がい者の方がタクシーを探していたんですね。勇気を出して『よろしかったら、乗ってください』と、ご自宅まで送りました。
そのとき、自分の足で立って歩く、たくましい姿に感銘を受けました」
この出来事や、高齢者との出会いによって一大決心。41歳でホームヘルパー2級を取得し、女優と介護士のダブルワーク生活を開始。