くらし情報『西川美和監督が語る日本映画界の問題点「高いチケット代が作り手に1円も還元されない」』

2022年5月10日 15:50

西川美和監督が語る日本映画界の問題点「高いチケット代が作り手に1円も還元されない」

と綴った。

■少ない監督料。しかし、印税にも期待できない

西川監督に映画監督の収入について聞くと、「日本の映画監督の監督料に最低賃金の規定はなく、作品ごとに発注元や製作委員会が定めた製作費に準じて、プロデューサーから提示されます」と返答が。しかし、国内外で高く評価される監督でも「商業性が低い」とみなされた場合は、予算を低く見積もられるというのだ。

「賃上げ交渉をすればいいと思われるかもしれませんが、何十億円の興行収入を上げて出資元の黒字が確実視できるような商業性の強い映画でない限り、全体予算の増額を監督からお願いするのは心理的にも難しいという状況があります。

自分の監督料を上げてもらうことによってスタッフの賃金が下げられたり、現場でできることが狭められていくのは避けたいので、提示額に従ってしまうのが通例です。キャリアの少ない若い監督ならば、『多額のお金を投じて撮らせてもらっている』という心理状態に置かれますし、なおさらのことだと思います」
さらに西川監督は、こう明かす。

「劇場公開される映画の著作権は出資元にあり、監督や脚本家には帰属しません。
劇場で映画を観てくれたお客さんが1,900円という世界的に見ても高額なチケット代を支払ってくださっても、監督や脚本家、広告塔になった主演俳優など、作り手たちには1円も還元されないのが一般的です。

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