くらし情報『西川美和監督が語る日本映画界の問題点「高いチケット代が作り手に1円も還元されない」』

2022年5月10日 15:50

西川美和監督が語る日本映画界の問題点「高いチケット代が作り手に1円も還元されない」

また監督や脚本家、俳優やスタッフらが、製作費回収完了後の成功報酬契約を結んでもらっているケースは必ずしも多くはありません。さらに日本のチケット収入は、劇場や配給会社への分配比率が高く、作品の製作費を回収するにはよほどの商業的成功を収めなければ見込めないのが実情です」

作品がDVD化などされると、二次使用されたことによって監督たちには印税が入る。ところが西川監督は「契約上締結してもらっていないケースが少なくないとも聞きます。また時代の推移とともにビデオ、DVDソフトの売り上げが落ち込んでからは印税収入も低くなり、動画配信サービスの台頭により、レンタルビデオ産業も急速に衰退し、この10年〜15年くらいで監督、脚本家、原作者に支払われる印税額は全般的に下がっているのではないでしょうか」と綴る。そして、こう続ける。

「公開終了後のDVD売上の印税をあてにして、“低い監督料でも何とか製作時期は凌ぐ”というのがかつての実感でした。しかし“入ってきていたはずのものが入ってこなくなった”という感覚はあります。

サブスクリプションの配信により多くの方が過去作を観てくれる機会が増えたものの、配信に対しての作品販売額に対する監督や脚本家の印税率のパーセンテージは十分とは言えないと思います」

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