2022年7月28日 11:00
安倍氏銃撃で高まる皇室へのテロの危機…それでも両陛下が「警備の大幅増強」を拒まれた理由
教訓を生かせるならば生かしていただきたい」
警護の大幅増強はない、という見解だったが、この発言は天皇陛下と雅子さまのご意向を受けてのものだという。
「警護を務めるのは皇宮警察、警視庁、お出かけ先の道府県警で、宮内庁長官が直接指示をすることはありません。しかし西村長官の経歴を鑑みると、今後の警護方針をしっかりと把握したうえでの発言であることは間違いありません。
また西村長官は会見で『国民と皇室の間に壁を作ってしまうのは、今までの皇室のあり方からありえない』『国民との親和を妨げない形でいかにご身辺の安全を確保するか……』などとも、語っています。
これらの発言も、『テロの脅威に屈して、国民から離れたりしない』という両陛下のお考えをしっかりと確認したうえでのものでしょう」(前出・宮内庁関係者)
■皇室に必要とされる“スマートな警護”
天皇陛下と雅子さまは、ご即位以来、“国民の中へ入っていく皇室”を目指されてきた。静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう語る。
「コロナ禍のために、皇室と国民のふれあう場や、国民が皇室を敬愛する機会も減少しています。
もちろん皇室の方々の安全確保は大切ですが、天皇皇后両陛下も警護を強化しすぎるあまり、さらにふれあう機会が減ったり、国民の心が皇室から遠ざかったりすることは避けたいとお考えなのだと思います。