2022年8月7日 06:00
【御巣鷹山から37年】遺族の闘い「裁判に勝って、すべての真実を明らかに」
川上慶子ちゃん(当時12歳、生存者の1人で、両親と妹を失う)は、しばらく妹さんと会話できていたようです。すぐ救助していれば助けられた命があったのに……」
もはやボイスレコーダーの開示検証が必須なのは明らかだろう。
だが、報告書に記されたレコーダーの会話には空白部分が多く、存在するはずの高濱雅己同機機長とファントム機などとの通信記録が欠落しているのである。
吉備さんは決意を固めた。
2020年7月、三宅弘弁護士や経済アナリストの森永卓郎さんらの協力で「日航123便墜落の真相を明らかにする会」を発足し代表就任。
そして2021年3月26日、日航に対してボイスレコーダーとフライトレコーダーの生データ開示を求める民事訴訟を起こしたのだ。
当日、吉備さんはビデオメッセージで第一声を発した。
「疑問点を払拭するために立ち上がりました。
日航の持つ情報をすべて明らかにしてほしい、ボイスレコーダーを直接聞かせてほしい。
それが夫をはじめ520人の供養になり、遺族の当然の権利です」
いま、吉備さんは520人の魂とともに闘っているのだ。
■「主人がそばにいなければ、私は安心して泣けない」