2022年10月16日 06:00
安藤優子「日本の女性たちよ、“わきまえないオンナ”になろう!」
と言葉にして掲げられたので、私はひどく落胆しました。ここにも、イエ中心主義の影響が出ています。実際に先の文書には、〈家庭長はパート・タイムで働く方が無理がない〉とあります。
もちろん、パートや非正規を選ぶ人がいてもいい。私が言いたいのは、国の押し付けではなく、個人の選択に委ねる社会であってほしいということ。
現実に、このコロナ禍の今、日本の福祉予算の低減に寄与すべく一生懸命にパートタイムでやってきた女性たちが、その仕事を失っています。
そこに至って、やっぱり自助だよと突き放されたら、やってられないですよね」
■「誰もが個人として認められている」10代でのアメリカ留学でも光景が原点
彼女が、「個」を大切にする社会や民主主義について考えるとき、いつも根っこにあるのが10代で体験したアメリカ留学だ。
「私が留学したのは’76年で、ちょうどジミー・カーターさんが選ばれた大統領選挙の年でした。
「私のホストファミリーのベイリー家は6人も子供がいる大家族で、食事どきには年上の兄姉の元カレや元カノまで集まって、いつも政治談議に花を咲かせていました。
日本の核家族の真逆で、イエや血縁は関係なくて、それを“エクステンディッド(拡大する)