天国の小林麻央さんと子どもたちとの強い絆 海老蔵が十三代目團十郎に
で、こうつづる。
〈幼いころから、誰にも相談しない、弱音を吐かない子どもでしたから、ひとりで抱えていることも多いでしょう。理解者でもあったパートナーの麻央さんがいなくなった今の息子の悲しみを考えると胸が痛みます〉
17年6月、妻の麻央さんが34歳の若さで亡くなったとき、偶然、樹林さんの作った芝居の公演が行われており、その楽日に楽屋を訪ねたときのこと。
「亡くなって、まだ3日後くらいでしたが、海老蔵は気丈に演じ終えました。楽屋で、二人きりになったとき、彼が僕に言いました。『麻央、観てたと思うよ。劇場にいたのわかったもん、オレ』普通の人が感じないものを、彼は常に感じているんですね」
いつも遠くから見守り、案じてくれる最愛の人の存在がある。このたびの父子のダブル襲名を誰より喜んだのは、天国の麻央さんだったに違いない。
■息子、孫との共演はさらなる宿命。「團十郎の業」を絶つ覚悟は、あとを託す者とともに
「勸玄さんも天才ですね。『外郎売』は6歳の初演時も感嘆しましたが、今度も9歳にして、本当によどみなく言えて。7歳だったお父さんのときも見ましたが、あんなに舌が回っていなかった(笑)。12月には『毛抜』もやりますね。