くらし情報『寂聴さん元秘書が語る 出家前の“はあちゃん”の素顔と孤独』

2022年12月30日 06:00

寂聴さん元秘書が語る 出家前の“はあちゃん”の素顔と孤独

この騒動直後、突然、彼女が親戚の恭子さんの家を訪ねたときのことも、長尾さんの著書に記されている。

〈恭子の母が、
「生きとって、よかった」
と涙ぐんだ。
「どこにおるんや」
と恭子の父。
「京都。女子大の友達んとこに居候しとるん」
いつもの早口ではなく、下を向いてぼそっと言う。
「日のあるうちに、よう徳島の町を歩けたなあ」〉

親戚中の話題の人物だったというが、けっして明るい噂話ばかりではなかったことがうかがえる。

その後、上京した長尾さん一家は、前述のとおり、’70年暮れから寂聴さんと同じ東京都文京区のビンテージマンション「本郷ハウス」で暮らすようになる。

「もともとは父が事業に失敗し、私が4歳のときに徳島から逃げるように上京したわが家でした。
このときは、はあちゃんとは挨拶だけでしたが、その後、父は出版関係の仕事で安定した生活を得て、本郷ハウスの7階に引っ越します。すると同じ日に、はあちゃんも11階で荷ほどきの最中だったんです。で、私に『あら、手伝いに来てくれたの』って(笑)。本当に偶然に同じ日に同じ場所への転居で、私も母もびっくりでした」

もっと驚いたのは、伝説のはあちゃんの暮らしぶりだった。

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