くらし情報『寂聴さん元秘書が語る 出家前の“はあちゃん”の素顔と孤独』

2022年12月30日 06:00

寂聴さん元秘書が語る 出家前の“はあちゃん”の素顔と孤独

「こんな生活って世の中にあるんだ、と。デザイナーが選んだ北欧家具で統一された部屋にジャズが流れて。はあちゃんの普段着のオシャレも独特で、ジーパンに上はヴィトンにシャネルだったり。その後、中学2年で評伝小説の資料探しの手伝いを始めました」

すでに『夏の終り』で女流文学賞を受け、続いて『かの子撩乱』など話題作をものにし、多くの連載も抱えていた時期だった。

「はあちゃんの指示を受けて、私は神保町の老舗古書店さんを行ったり来たりでした。そのうち店主と顔なじみになって、『その資料なら、○○書店にあるはずだから、連絡しといてやるよ』ということも。学校の文芸部の活動より、よっぽどおもしろかったです」

のちに自身もライター業などをする長尾さんには、寂聴さんから学ぶことも多かった。

「これだけ膨大な資料を集め、集中して目を通していても、作品になるときにはほとんど捨てていくんだと。
そのストイックさに、プロの作家の流儀を知らされました」

■出家後、マスコミの目を逃れて長尾家に来た寂聴さんを見て、涙した母

当時の新恋人で、寂聴さんの人生を大きく変えることになる作家・井上光晴との出会いは’66年、寂聴さんが44歳のとき。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.