2023年3月14日 11:00
「カラス肉の生食」紹介記事が波紋…「最悪の場合死に至る」と専門家も警鐘
カンピロバクターやO-157などのさまざまな病原菌を保有している可能性があり、感染症や食中毒を起こすリスクがあります。
特に、ここ最近の細菌性食中毒の原因菌は、厚労省のデータによるとカンピロバクターが圧倒的に多いです。令和3年だけでも154件、764人がカンピロバクター食中毒に罹患しています。下痢や嘔吐のほかに、麻痺・呼吸困難などを起こす”ギラン・バレー症候群”を発症することもあると指摘されていて、最悪の場合は死に至ることも。特に子供や高齢者は重篤化しやすいので注意が必要だと思います」
とはいえ、カラスの肉を食べること自体を否定するわけではない。
「僕自身もカラスを食べたことがありますが、もちろん生ではなく加熱調理されたものです。ジビエに限らず飼育されている家畜でも病原菌を保菌していることはあります。では、どのように安全性を確保しているかというと、まずは食肉処理の過程でまな板や包丁の使い方など含め、肉に菌が付着する二次汚染を防ぎ、菌を増やさないための温度管理などの衛生管理がしっかりするということです。
その全工程をすり抜けた菌を最終的に殺すには、やはり加熱しかないんです。その最後のリスクヘッジを避けることは自殺行為ともいえます。