2023年5月31日 06:00
「もう今までみたいに歌えない」川嶋あい“ライブ引退”の胸中を告白…歌手引退は否定
父の建設業は順調で裕福に育てられたが、川嶋が10歳のとき父が肝臓がんで他界。母子家庭となり、会社は傾きだし、家も豪邸から6畳1間のアパートへと移ろった。
すると今度は母が体調を崩して、心臓病に加え、がんも併発してしまう。それでも母は「娘を歌手にしたい」一心で音楽教室に通わせ、中学を卒業すると上京させて芸能コースのある高校に進学させた。
川嶋は、渋谷の街頭などで地道に路上ライブを始めると、現在の会社にスカウトされてデビュー、メジャーシーンへと駆け上がった。
母が故郷で一人亡くなったのは、『明日への扉』が全国ネットで流れるわずか2カ月前、8月20日のことだった。
施設で暮らしていた川嶋を娘として引き取った「お母さん」。わが身を削って夢を託してくれた天国のその母に、伝えたいことは。
「今年で最後と決めてしまって、『ごめんなさい』という思いです。毎年この日は、母とステージで交信できる大切な日でした……」
そのライブが最後だという絶望と、まだ歌う機会は残されているという、わずかな希望。
「いま現在、闇と救いが混在しています。苦しい闇があるから、その先、どう生きていけるか、挑戦したい。