“55歳で初婚”床嶋佳子「“心を開いた”ことで主人と出会えた」
もちろん違う価値観の2人がともに暮らすのですからハッピーばかりとはいきませんが、それでもやっぱり2人でいるときは幸せだなって思えるんです」
すてきな笑顔で語る床嶋さんだが、40代は「寂しさを感じていた」のだという。ところが、順調だった女優の仕事と向き合う時間のほうが長かった。
「子どもを生み、育てる女性ってなんともいえない美しさがありますよね。憧れましたし、結婚願望ももちろんありましたが、ご縁がなかった。心が前向きになれず、だんだん『結婚はもう無理かも』という諦めになり、一生独身でいるのかなと。40代後半になると、すてきな人がいてもときめかない。人を好きになれない自分がますます嫌になり、幸せそうな家族を見るのもつらい時期がありました。悪循環ですね」
仕事を忙しくすることで、悪循環に陥っている心を見ないようにしてきた面もあるという。
ところが、50代に入り体に変化が訪れた。
「更年期もそうですし、人間には老いというものがあって、がんばりきれなくなる時期がやってくるんですね。そこに寂しさも重なりましたが、だからこそ自分を変えるしかないと思えたんです」
住む場所を変えてみたり、丁寧な暮らしを意識したりと、自分にできる変化を取り入れていったという。