「平和の尊さを訴えて」「夢に出てきて」三回忌追悼企画“いま寂聴さんに願うこと”
寂聴さんが逝去するまで約10年間、スタッフや秘書を務めた瀬尾まなほさん。
「いまさらですが先生の言葉は説得力があり、素直に納得するものばかりです。先生が亡くなってしまってから、より先生が残した言葉が胸に響くようになりました」
特に最近、印象に残った言葉は次のようなもの。
《骨身に沁みてつらいと思う経験も、歳月が経って振り返ってみると、あの時、ああいう目に遭ったからこそ、今の自分があるのだと思えるようなことがあります》
自宅や職場、いたるところに寂聴さんの写真が飾ってあるという。
「寝室には大きなパネルもあるのです。2022年に私が『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演したのですが、スタジオで先生の写真をパネルにして使っていて、それを後で送ってくださったのです。朝起きたら、『先生、おはようございます』と挨拶をしています。
そこは“瀬戸内先生コーナー”のようになっていて、写真や先生が作ったかわいらしい土仏や、少し分けていただいた遺骨も置いているのです。
だから先生を思い出さない日はありませんね。
それなのに、先生は夢に出てきてくれません。ずっと強く思い続けているのに……。私が育児で悩んだとき、人間関係に疲れたとき、いつもグチを聞いてくれていました。